花。

今日はちょっと素敵なお話（笑）

　今日の午後、給食を食べ終えてみんなで外で遊ぶ時間、掃除をしようとした私の耳に、女の子の大きな泣き声が。それは、我がゆり組さん女児（つっても4人しかいない上、一人は母親出産のため来ていない）のうちの一人、Kちゃん。めっちゃ泣いてるので言ってみると、しゃくり上げながら
「Mちゃんに『一緒に遊ばない』って言われた〜（TロT）」
　とのこと。Mちゃんとは、同じゆり組女児で、Kちゃんとは仲良し。何があったものかと聞くために、助手の先生にMちゃんを連れてきて貰う。私に怒られると思ったのか、既にMちゃんは泣きそうな顔。私は怒る気は毛頭なかったので、冷静に2人の話を聞いてみることに。
私「Mちゃん、KちゃんがMちゃんに『一緒に遊ばない！』って言われちゃったって言ってるんだけど、本当？」
M「言ってないよ！」
私「Kちゃん、Mちゃん言ってないって」
K「でもK聞いたもん！いったもん！」
私「Mちゃん、本当に言ってないの？」
M「………」
私「先生、本当のこと知りたいんだ。怒らないから、もう一回だけ答えてくれるかな？」
M「……（頷く）」
私「言っちゃったんだ？」
M「……（涙目で頷く）」
私「そか。どうして言っちゃったのか教えてくれる？」
M「だってね、あのね、Kちゃんがね、Mに『はやく！』っていったの」
私「へ？」
M「Mね、まだ赤白帽子被ってないのにね、Kちゃんがはやくっていったの」
私「……それはきっと、早くMちゃんと遊びたかったんだよ」
M「でもさ、M、早くできないもん」
私「だったら、ちょっと待ってって言えば良いんだよ。そうしたら、Kちゃんだって待ってくれるよ、ね？」
K「（頷く）」
M「……でもね、ほかにね、Kちゃん、Mに『だめ』って言ったの」
私「だめ？」
K「言ってないよ！」
私「Kちゃんは言ってないって言ってるよ？」
M「言ったもん！Mきいたもん！！お口で言ったのみたもん！（半泣き）」
K「言ってないよぉ！（泣きじゃくり）」
私「いつ、駄目って言われたの？」
M「Mが、さっきYくんとSくんと一緒に遊んでるとき」
私「Kちゃん、覚えてる？」
K「ちがうよ！Kは、Yくんにだめって言ったんだよ！」
私「Yくんに？」
K「Yくん、Mちゃんのこといじめてたから、だからKだめっていったの！」
私「………そっかぁ、そうだったんだって、Mちゃん」
M「…………（じっとKちゃんを見る）」
私「Kちゃんは、Mちゃんを守ってくれたんだね？」
K「（頷く）だから、Mちゃんには言ってないんだもん！！」
M「………」
私「そうなんだって、Mちゃん。……Kちゃんは、Mちゃんの事好きだから、守ろうとして、駄目って言ったんだって。Mちゃんに言ったんじゃないんだって」
M「……」
私「……それでも、まだ一緒に遊んではくれない？」
M「……（首振り）」
私「（ほっと）そっか、ありがとうMちゃん。……じゃあさ、……やっぱり、『一緒に遊ばない』って言っちゃったのは、Kちゃんに凄く悲しい思いさせちゃったことだから、『ごめんね』…言える？」
M「……っ、でも、でもM、（涙ぽろぽろ）間違って言っちゃったんだモン！！」
私「うん、そうだよね、わざと言うようなことMちゃんはしないもんね？だったら、なおさらだよ、間違って言っちゃってごめんねって、言えるかな？」
M「ごめんねKちゃん……っ（泣）」
K「Mちゃん、ごめんね！」
私「……よし！！えらいぞMちゃんKちゃん！んじゃあ、Kちゃんはお鼻かんで、それから遊び行こう（ティッシュ取り出し、チンさせる）」
K「（ぢーむっ・鼻かみ）」
私「おお、でたね（笑）」
K「えへへ（笑）」
M「あはははっ」
三人「あっはっはっはっは（笑）」
私「ほら、じゃあ早く遊んでおいで、お帰りまで後少ししかないよ！」
2人「うん！！」

　そして、花の様な笑顔を私に見せてくれたKちゃんとMちゃんは、手を取り合ってお砂場へ駆けていきました……。


子どもって、何て素敵なんだろう、と再確認した、いい午後でした。三人で笑ったる時、私はこの2人の優しい心に、嬉しくて涙が出そうになりました。そして、この三人同時の笑いは、本当に自然に起きて、固まった心を一瞬で溶かしてくれました。きっと、子どもは感情が自由で、心が素直で、繊細で、本当に汚れを知らないから、こんな素敵な仲直りが出来るんだろうな、と思いました。
　私だったら、一緒に遊ばないならそれで良いよ、とか思っちゃうだろうし、そうすると、誤解は誤解のまま、本心は分からないまま、その友達との縁は切れてしまうだろうなぁ…。
　この優しい子ども達の担任になれて、本当に幸せだと感じました。素敵な時間を有り難う、Mちゃん、Kちゃん。

　んで、週末なのに2人揃って上履きを幼稚園に忘れていく仲の良さに先生感服（笑）